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 そんなばかな!!

《 問題の提起です! 》 
 "保険料を支払っても、保険を使えない?!
            世にも不思議なブラックホール発見
"

 昭和63年4月より、全ての法人(従業員数に関係無く)は強制適用事業所となり、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入することが法律で義務付けられました。
ここで事業主の方々がケガや病気をした時、保険を使用できなくなる、"世にも不思議な ブラックホール"が出現するのです。

@ 健康保険法では、

第1章 総則

 【保険事故及び被扶養者】

第1条  健康保険ニ於テハ保険者ガ被保険者ノ業務外ノ事由ニ因ル疾病、負傷若ハ死亡又ハ分娩ニ関シ保険給付ヲ為シ併セテ其ノ被扶養者ノ疾病、負傷、死亡又ハ分娩ニ関シ保険給付ヲ為スモノトス


"業務外"(=仕事中でない事)が保険を使用できる大前提なのです。

A 労働者災害補償保険法

第1章 総則

 【法律の目的】

第1条  労働者災害補償保険は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害又は死亡に対して迅速かつ公正な保護をするため、必要な保険給付を行い、あわせて、業務上の事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかつた労働者の社会復帰の促進、当該労働者及びその遺族の援護、適正な労働条件の確保等を図り、もつて労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする。


"業務上"の事由で保険が使用できるので、
            一見これで全ての病気ケガで保険が使えそうですが、

B 労働基準法

第9条

 この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。


 「法人、団体、組合の代表者または執行機関たる者の如く、事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は労働者ではない」とされています。
(昭和23.1.9.基発14)


ここで事業主等は労働者では無いこととなります。

労働者ならどちらかの保険(健康保険、労災保険)が使用できるので問題有りません。
しかし、事業主等は労働者ではないので労災保険の適用は受けられないのです。
"仕事中"であっても"業務上"ではないのです。(業務外=仕事中でない事

国民健康保険(船員保険)には業務上、外はないので、全てのケガ、病気で使用できます。
なのに法律で義務付けられたので手続して社会保険に加入した中小企業の事業主等は
"保険料を支払っても、保険を使えない?!
世にも不思議なブラックホール
に入ってしまうのです。

これを救う為、労災保険では特別加入制度が有り、一見救われるように見えます。
国民皆保険で保険料を支払っていて、その上に労災保険に特別に加入して保険料を支払います。
でも全て保険が使える様にはなりません。

<例えば>
銀行に行く時、集金したお金を入金に行くのは従業員も行いますので業務上、でも融資の相談に行くのは、事業主の仕事であり労働者の仕事で無いので業務上は認められません。
"仕事中"ですが"業務上"では無いのです。そうです。
"仕事中"なので健康保険は使用できません。当然に労災保険も使えません。
これが、"保険料を支払っても、保険を使えない?!
            世にも不思議なブラックホール
"なのです。

国民皆保険 … 国民全てが保険の恩恵を受けられると言う事ではなく国民全てが保険料は支払いなさい、ということなのでしょうか。何か変ですね。不思議ですね。
労働、厚生両方の法律に関与している、社会保険労務士が声を大きくして提起する問題では無いでしょうか。

省庁再編で縦割行政の壁が無くなり(現在は労働厚生省となりましたが解決されていません。)、中小事業主等の方々が法律に従った為に陥る"保険料を支払っても、保険を使えない?!世にも不思議なブラックホール"が無くなることを祈り、問題提起します。

 

《 問題の提起です! 》 
 "保険料を支払っても、保険を使えない?!
            世にも不思議なブラックホール発見" への
社会保険労務士 川口 徹さんよりの資料とご意見です。
( ホームページアドレス http;www.bekkoame.ne.jp./~tk-o/ )

法というものはすべてを網羅できないのでしょう。私も不思議に思っていた箇所で、たまたま最近教えてもらったH9/7/31の裁決です。実際裁決にいたらないで具体的妥当性のある事務処理しているのも多いのではないかとも思っています。
"昭和63年4月より、全ての法人(従業員数に関係無く)は強制適用事業所となり、社会保険(健康保険、厚生年金)に加入することが法律で義務付けられました。
ここで事業主の方々がケガや病気をした時、保険を使用できなくなる、゛世にも不思議なブラックホール"が出現するのです。

<上記問題に関して 社会保険審査会の下記のような解釈があります>
Q1  代表取締役が会社の仕事で留学生を空港に送った帰路に発生した事故により負傷。健康保険保険法の傷病手当金の支給は可能か? 
A1 代表取締役は労働者に該当しないので労働者災害補償保険の対象になりません。 
業務とは・・・・健康保険は 業務外の事由による疾病 負傷に給付を行う。
        国民健康保険は 業務上外を問わず給付を行う。
社会保険審査会の解釈 法第1条第1項の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡とは「労働者災害補償保険の対象となる疾病、負傷若しくは死亡」又は「これに類する疾病、負傷若しくは死亡」に該当しないものをいう。
したがって法第1条第1項の業務外の事由による疾病、負傷として救済
平成8年(健)第112号事件 社会保険審査会に再審査請求 H9/7/31裁決

資料有り難う御座います。
今回問題提起したのは、審査会まで行き "個別" で判断される事なのです。
逆のケースも有る訳です。当然に63年時点で、行政はこの問題は掴んでいた筈です。処がそれを隠し、社労士会に5人未満の適用促進を行政協力の名の元に依頼し、又それを無条件に社労士会が受けたことなのです。社労士会がこの事に気が付いていない事なのです。
法で全てを網羅でききなければ、それを補う何か(附則、通達等)が必要です。
それを社労士会が提言し勝ち取れば、社労士の地位が上がるのです。その事を、望み問題提起としたのですが・・・規制緩和も進む中、社労士が規制緩和の荒波にのまれ何処かに行ってしまわない事を望みます。

 個人的なご質問、ご相談は 
     shige-01@rapid.ocn.ne.jp


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